障害年金の請求について

Last Updated on 3か月 by eweenaw

1.知っておきたい障害年金という制度について

日本における公的年金制度は、老後だけでは無くけがや病気により就労が出来なくなったときにも対応が出来るように制度設計がなされています。
ただし、老後に請求する年金制度も複雑怪奇ですが、この病気やけがなどで就労が出来ないときに請求が可能な障害年金制度も、その内容は非常に複雑です。
そのため可能であれば社会保険労務士のように専門的に対応が出来る士業に依頼を行うことも一案となります。

この障害年金制度は年金制度の1つですので、年金に関する色々な制約を受けます。
たとえば加入してきた年金制度によって受給可能な金額が変更になったり、あるいは初診日の考え方が非常に分かりにくく診断書を記載する医師もこの制度を知らない場合があり得ます。
こうした点から敬遠してあきらめてしまう人がいることもあって、制度そのものを知らない場合も多いです。

就労をしている人であればけがなどで働けなくなったときには、賃金が得られなくなります。
このときにはまずは傷病手当金の請求から行い、傷病手当金の請求が終了した後に障害年金に切り替えていくといった考え方も重要です。
いきなり障害年金の請求を行うのでは無くそれ以前に出来るもので対応をする考え方も出来ます。

障害年金申請の流れについて詳しく

2.請求の際に必要種類がたくさんあるので厄介

この年金の請求では色々な書類をそろえる必要があり、しかも不備が許されません。
すべてきちんとそろっていて受理をしてもらい、その上で内容の審査を行います。
通常は日本年金機構や最寄りの市町村役場が窓口ですが、初診日に公務員だった場合は、その加入していた共済組合が窓口です。

窓口1つとっても異なっており、また初診日の特定が非常に重要です。
この初診日とは病名がはっきりと分かった時を言うものではありません。

その病気やけがなどで受診した時をいい、医師が誤診をしたときや病名が分からなかったときでも初診日になり得ます。
この考え方を医師が理解していないケースがあり、その説明を法的根拠も含めて行う必要があり得るのです。
患者がその説明を行うのは一般的に至難ですので、社会保険労務士といった専門家から説明をしてもらうことがベターとなり得ます。

障害年金ではさらに初診日以外でもその初診日から1年6ヶ月経過後の状況も重要です。
またそのときには症状が軽かった場合、現在の状況の診断書を用意する必要も出てくるものです。

3.年金の未納があれば受給権利が発生しないので注意

その他にも年金保険料の支払い状況も大切であり、未納がある場合にはそもそもこの年金の受給権利がないことも起こり得ます。
万が一のことを考えればこの年金保険料の未納は避けて、支払っておくことが望ましいです。
万が一経済状況によって支払いが困難な場合は、免除申請を行うなどして未納は避けておくことが賢明となります。

初診日のときに加入していた年金制度によって相談先などが変わるわけですが、相談先はあくまで書類の受付をメインに行うだけであり、受給のための細かなアドバイスをしてくれるわけではありません。

書類の不備があるかないかそれだけを確認していると言えます。状態では確実に受給出来る状態なのに、不支給になったりあるいは障害がより軽いものに判定されたりするため、診断書の内容なども重要です。

しかしながら患者から主治医などの診断書を記載する医師、医療機関に対してあれこれ伝えるのは難しいことが多いです。
そのためにも代理人を立てて対応をすることを考える必要があります。

また現在も病気などについて治療中のケースでは、この年金関係の書類をそろえるのもしんどく、なかなか前に進まないこともあり得ます。
国民年金や厚生年金の場合は書類受理日の属する月によって受給月の開始が変わります。
共済年金及び共済厚生年金の場合は多少制度が違っているので、その点にも注意が必要です。

4.制度変更が多いために専門家の助言なども必要になるケースが多い

診断書を記載する医療機関ではカルテの保存期間が5年間であり、それ以前のものはすでに無くなっていたりします。
ただし、保存年限に関係なく残している医療機関も増えてきましたので、その病気等の初診日をよく思い起こし、適切に対応が出来るようにします。

医療機関を転院している場合などは特に最初が分からなくなっていることもあり、注意が必要です。
万が一の時でも生活が出来るようにと制度設計されているものですので、利用をしない手はありません。
そのためにも病気やけがの受診状況をよく確認しておくことが望ましいと言えます。

この制度は変更も多く徐々に書類がそろえやすいように変更がされていることもあります。
たとえば初診日についてはかつては医療機関の受診が原則でしたが、健康診断日でも認められるケースが出てきたりする等、制度をより柔軟に認める傾向もあるわけです。

いずれにしても制度変更が多いために専門家の助言や対応の依頼なども考慮する必要があります。
個人では難しいと思って申請を控える人もいますが、制度がある以上利用出来るものは利用し、正しく受給出来るようにすることで、生活を成り立たせることも大切です。